2階級制覇を目指す亀田和毅、運命の世界戦に向けて「勝って家族で抱き合う姿をイメージできている」

 亀田3兄弟の三男で元WBO世界バンタム級王者の亀田和毅(協栄=27)と、スペインのアビゲイル・メディナ(30)によるWBC世界スーパーバンタム級暫定王座戦11月12日に後楽園ホールで行われる。この試合を独占生中継するAbemaTVでは、11月3日に事前特番を放送。“亀田家最終兵器”と呼ばれる和毅が、勝てば2階級制覇となる3年ぶりの世界タイトル戦に向けて熱い意気込みを語った。

 今回の世界タイトル戦が決まった時の心境を「よっしゃ!って感じですね。めちゃくちゃ嬉しかった。試合さえ決まれば150%勝てるので」と表現した和毅。父・史郎氏から「センスは兄弟の中で一番」と評されるほどの才能を持つが、ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。


 15歳で単身メキシコに渡り、ボクシングの武者修行をスタートしたが、中学校を卒業したばかりの少年にとって現地での生活は想像以上に過酷なものだった。メキシコに馴染めず「日本に帰りたい」と漏らすことも少なくなかったというが、ある女性の存在が和毅の折れそうな心を支えていた。


 アマチュアボクシングの試合会場で出会ったメキシコ人の妻・シルセさん。当時の和毅について、シルセさんは「日本人でスペイン語も喋れないし、子供みたいだった」と当時を振り返り、寂しさのあまり「泣いていたこともある」と明かした。周囲に日本人は1人もおらず、ボクシングのトーナメントに出れば激しいブーイングを浴びる……。そんな環境が、和毅少年を強いハートを持つボクサーへと成長させた。

 2013年にはWBO世界バンタム級チャンピオンに輝き、3兄弟の全員が世界チャンピオンになるというボクシング界史上初の快挙を達成。しかし2015年にジェイミー・マクドネルに連敗を喫し、その後はなかなか試合が組めない日々が続いていく。その期間について、和毅は「練習していても、いつ試合が決まんねやろ、また決まれへんな、みたいな。気持ちを保つのが難しかったですね」と回想した。


 協栄ジムへ移籍し、スーパーバンタム級に階級を上げて4連勝。2015年のマクドネル戦から3年、ようやく巡ってきた大チャンスが、今回の世界タイトル戦だ。対戦相手のメディナは10連勝中の欧州王者で「ハンマーショット」と呼ばれる強烈なパンチが武器。和毅は「結構パンチがある選手」と警戒しつつも「集中してやれば問題ない」と意に介さない。

 待ちに待った世界タイトル戦、そして2階級制覇に向けて「亀田家にとっても自分にとっても、いろんな思いが詰まっています。応援してくれた人たちのためにも、絶対に勝ちたい」と熱い気持ちを語った。「朝起きた時も寝る時もずっと、KOしてチャンピオンベルトを巻いて、家族で抱き合っている姿をイメージしています」という情景を、11月12日に後楽園ホールで現実のものにできるだろうか。“亀田家大復活”を賭けた運命の一戦はもう間近に迫っている。

(C)AbemaTV


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